言葉のかたちとなかみのはなし

 自分は美術関係の仕事をしてもう10年になるのですが、未だにカタカナの「アート」という言葉に慣れない。「アートが好き」とか、なんだか恥ずかしくて言えない。この感覚はなんだろうと考えたところ、「ミュージシャン」とか「ロック」とか、はたまた「シンガーソングライター」とか、同じ感じだなと。いざ言うときは、何か別の意味を含んでいるような、自分は蚊帳の外にいるような、そんな感覚、ありませんか?最近ふと思ったまでですが、突然失礼しました。

 

 話は変わって、最近再放送していたNHKの「今ここにある危機とぼくの好感度について」というドラマを見たのですが、いやー、常々感じますが、NHKは攻めてますね。毎度、国営放送とは思えない鋭さ。キャストも豪華ですし、番組制作への情熱、あるべきメディアの姿を感じます。

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 ざっくりあらすじを説明すると、イケメンニュースキャスターとして活躍していた神崎(松坂桃李)が、大学でお世話になった教授から広報をやってくれとお願いされ転職、大学の研究室の不正疑惑に巻き込まれていくのですが、ニュースキャスターでは「何も言わない」キャスターと言われ、本質的なことは何も言わない、なぜかってどんなところからクレームが入るかわからないから、何も言わないことが一番、と過ごしてきた。そんな彼が、学内の諸々の問題のため、真実を求め奔走するのですが、要所要所で「正論はだめだよ!」とか「誰でも間違いはあるでしょう。」とか、「証拠がないんだから、しらばっくれたらいいんだよ。」とか、「会見に中身なんかいらないんだよ!」などというセリフが入ります。

 どれだけの人がこのドラマを見て、どう感じたかはわかりませんが、こういう媒体を通して、日本社会に訴える姿勢、好きですね。ストーリーは、神崎の行動の意図とは裏腹に進んでいくのですが、ああ、世の中ってこうだよなと、痛感させられます。ナイス、オリジナル脚本です。5話完結なので、見やすいと思います。ご興味ある方はぜひ。

 

 というドラマを見ながら、小一時間うたた寝してしまった休日だったのですが、ドラマの音声を聞きながら良い夢を見た気がするんだよな。面白いアイデアがいろいろ詰まった、何か新しい物語ができそうな予感だったけど、忘れちゃった。

 明日は雪が降るそうで、皆様お気をつけてお過ごしくださいね。(数年前の大雪の写真を探したけど出てこなかったので、本日はこれで。)