今年は寄席に行きたいよ

 どうも、木曜日担当の藤岡です。初ライブから2回くらいステージに上がったきりになってしまい、初めましての方がほとんどかと思います。こんなわたしもローテーションに加えてもらえて光栄です。文章書くのは好きなので、少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。

 わたしは、昨年までうたたねというバンドでピアノを弾いて歌っていました。うたたねでは、なつゆ(名前)を全面に推してましたが、こちらでは藤岡(名字)でやらせていただこうと思いますのでよろしくお願いします。

 

 日常生活の中で、常々、そういえばあれやってみたいなぁ、あれやらなきゃいけないなぁ、という物事ありませんか?

 わたしには山程あります。毎年、今年こそは!と意気込むんですが、なかなか重い腰が上がらず、そのうち見て見ぬ振りというのが常なので、2021年は面と向ってやろうではないか、という気持ちのもと、せっかくこのような場を頂いたので、希望と自戒と込めて、ひとつひとつ書き記していこうかという所存です。

 有言実行出来たかは年末にでも答え合わせをしましょう。

 

 では、記念すべき1回目は「今年は寄席に行きたいよ」です、どうぞ。

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 もう何年も前のことですが、東京に住んでいる父の友人Tさん家族がその年末に車で帰省するというので、便乗させてもらったことがありました。夜の高速を走る車内、運転席にTさん、助手席に奥さん、後部座席には当時小学2年の娘とわたしという配置でした。車内のBGMが何の曲だったかは忘れたけど、明らかに親の年代の歌謡曲だったのですが、娘は文句も言わず大人しく座っていて、きっと小2の自分だったら、つまらん!かえて!なんて文句言うだろうなとか思いながら、「〇〇(娘)ちゃんは何が好きなの?」と聞いたら、助手席から奥さんが振り返って「最近、落語聴いてるよね〜」と言ったのに対して「うん!」と嬉しそうに返していた。当時の自分にとっては衝撃で「まじかよ、しぶいな!」しか言えなかったのですが、それまでの思考にはなかった落語というものが引っかかり始めた出来事でありました。

 それから5〜6年は忘れてしまっていたのですが(おい)、つい一昨年くらいに「億男」という映画を見たときのことです。たまたまつけたテレビで、その映画に出ていた俳優の高橋一生さんが笑福亭鶴瓶さんのトーク番組にゲスト出演されていました。気になって見ていると、案の定「億男」の話題になって、鶴瓶さんが高橋さんに「あれは、芝浜やな。」と言ったんです。

 芝浜?と思って調べると、古典落語の噺のひとつなんですね。さすが笑福亭。鶴瓶さんの言葉を聞いて、やはり全く新しいものというのは滅多なことではない、何かを作り出したいなら先人が培ったものをきちんと知らないといけないなと思ったわけです。

 そうやって少しずつ落語に興味を持ち始め、ついに昨年末のこと。年末によくあるドラマ一挙放送で「タイガー&ドラゴン」を見てしまったんですね。ご存知の方も多いと思いますが、宮藤官九郎さん脚本、ヤクザの若頭が取り立て先の落語家に弟子入りし、稽古料を師匠に払ってそれをそのまま取り立てるという、おかしな話。毎話、落語一席の粗筋をなぞったストーリーで、しっかり落ちもあるし、最初から最後まで笑って泣ける下町人情溢れるドラマです。リアルタイムでもしっかり見ていた大好きなドラマなんですが、この年齢で見るとより話が理解できて本当に面白かった。面白すぎて、元の落語をちゃんと知りたいなと思い、ドラマで出てきた噺をいくつか聞いてみました。

 いやはや何でも奥が深い。同じ噺でも、自分の好きな声や抑揚でないとうまく聞き入れられないことに気づき、いろいろな噺家さんの高座を聴いたのですが、まだまだ堀りが必要そうです。

 お詳しい方、ぜひおすすめを教えて下さい。

 

 年始に柴ちゃんのバンド、チーナの有観客&配信ライブにお手伝いに行ったのですが、偶然知り合いのPA さんがいたので、終演後ご挨拶がてら、最近どうですか〜なんて話したら、「生(なま)に勝るものなんてないって自分たちが一番わかってるのに、それを提供できないのは辛いっすね。」と言っていたのがグサーと刺さりました。演者もお客さんもスタッフもみんな同じ気持ちですね。

 一日でも早く、みんなで気兼ねなく集まれる日が来ますよう、寄席に行ける日には大声で笑えますよう、「今年は寄席に行きたいよ」という話でした。

 

 みんなの投稿を読んでますが、それぞれ面白いですね〜。明日、金曜日ははっせさんですね。読むの楽しみにしてます〜。