水辺が恋しいよ

 今宵も時空に歪みが…。まだ木曜日です、藤岡です。

 自分は大学進学を機に上京してきた身なのですが、高校生まで過ごした地元のド田舎っぷりが嫌で嫌で、とにかく脱出したい一心で横浜の大学を受けました。横浜を選んだのはダーツが刺さったからですし、きっとそのうち、大学を卒業したら、就職してちょっと働いたら、結婚したら、実家に帰ってのんびり暮らすのだろうと思って、余裕ぶっこいてたのですが、気がつけば、友達もたくさん出来て、良い仕事にも巡り合い、バンドまでやって、早十数年こちらに暮らしているではありませんか。当時の自分では全く想像していなかった生活です。本当、人生何があるかわからないですね。

 実家がお寺なもので、出来る限り(仕事柄、お盆は無理なので)お正月には帰っていたのですが、昨年から帰省を自粛しているもので、長らく祖母と母と犬の顔を見ていません。何より田舎の大自然に触れていない。あんなに毛嫌いした田舎、帰省にもそれほど頓着なかったはずなんですが、心と身体にはタイマーのようなものが備わっているんですね、(というのは友人の言葉を借りましたが)ここ最近は、緑と水と犬を求めて生きています。この穴は誰にも埋められない。

 去年、耐えられなくなって、実家の祖母に接触するのはダメだと思ったので、妹夫婦の住む滋賀に一人で遊びに行きました。その時連れて行ってもらった日吉大社で、車を降りた瞬間に感じた木と土の匂いに感動して泣きそうになりました。これだよ〜!とスーハースーハーしてたら、妹にすごい目で見られましたが、街の生活では足りていないものが明らかになりました。それを知ってからというもの、休みを見つけては、海へ行ってみたり、神社へ行ってみたり、花を見たり、川を見たり、するようになりました。本物には叶わないけど、ごまかしなかまらなんとか生きています。

 最近では気温も上がってきたせいか、川が恋しくてたまらない。レコーディングが終わったらBBQしたいね、藤田さん。イメトレしておくんで!

 実家近くの川と犬でお別れです。また来週。(休載?)

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photo by Daisuke Murakami